私にはハナちゃんと同じ名前の犬がいました。
知り合いの家に産まれたビーグル犬の女の子でした。
生まれて初めて犬を飼うと決意し、その後18年間
ペットではなく家族としてともに暮らしてきました。
でも悲しいかな、犬は人間よりもうんと早く年を重ねます。
去年の2月11日、何年かぶりの大雪で町中が白くなり
いつもより静かな朝に彼女は眠るように旅立ちました。
もう、目も耳もきかなくなって歩くのもやっとな状態でした。
一日のほとんどを寝てすごすことが多かったのですが、体をなでてあげると
安心したような顔をするのが嬉しかった。
先代のハナちゃんと一緒に暮らすようになって、私ははじめて信頼と愛情を知ったと思います。
ビーグル犬の彼女はそりゃお転婆で決して良い子ではありませんでした。
ましてや、犬の飼育経験がなかった私です。
大切なものを壊されたり、手を思い切り噛まれてケガをしたり、
何度となく誤食や過食で病院に駆け込んだり・・・
本当に手のかかる子ではあったけど、本当にかわいくて愛しかったです。
先代のハナがまだ元気だったころは、そんなに遠くない別れが何よりの恐怖でした。
目の前からハナがいなくなることを考えるだけで体が震えました。
そして、1年前に訪れたハナとの別れ。
実際は昔思っていたような恐怖ではなかったのです。
悲しいけど、痛くない。涙はでるけど、心の奥はあたたかい。
ふわふわの体はどこにもいないけど、今もそばにいてくれるような感覚。
「ありがとう。出会えて幸せだった。楽しかった」
そうおだやかな気持ちで見送ることができました。
18年も長生きして、最後も苦しむことなく眠るように息を引き取ってくれた。
だから、こんな風に優しい気持ちでいられるのだと思います。
そして、自然に「また犬を飼いたい」と思えました。
ビーグル犬のハナちゃん。いつでも貴女のことを思っています。
どうか、遠くから私たちのことを見守っていてください。
たまに夢の中で会えるのがうれしいよ。

ビーグル犬のハナ 12歳のころ